【野本ファーム × ダイリン】想いも、完熟。
想いも、完熟。
「何代目っていうか…忍城水攻めの後から、代々この土地でね。酒屋で忍城に納めたり、養豚やったり、それで農家になって」と語るのは、野本ファーム代表・野本雅一さん。
こともなげに話すその姿からは、この地に深く根差し、業態を変化しながらも営みを続けてきた年月への誇りが滲みます。
ダイリンとのお付き合いが始まったのは、きららカフェオープンすぐのこと。
「近所になんかできたって、うちのが行ってみようってね」。
以来、トマトを使ったメニューはカフェで大人気に。
一味違うその味わい、どのような方が育てられているのか、お話を伺ってきました。
▲夫婦二人三脚で、30年以上。きゅうりや米に加えて3分の1の敷地で始めたトマトは、結婚後にその種類も敷地も大幅に増やしたのだとか。「(奥さんが)きてくれたからね、なんとかここまでね」と、何気ない言葉から発せられる奥様への感謝の想いが印象的でした。
トマトを語る時、言葉の温度が上がる。
「まずは食べてみて。うちは大玉が定番の桃太郎とサンロードっていう品種の2種類あって、初めて直売所にきたお客さんには最初、サンロードをすすめるの。水分が少ないからキメが細かくて、ただ甘いだけじゃなくて酸味もあって。ぎゅっとした甘みがあるんだよ。1日、2日おくともっと旨い。はい、これ」。
取材開始早々、トマトを差し出してくれた野本さん。味に自信がないとできないことだなと感じながら、遠慮なくがぶり。瞬間、キリッとした酸味の後に甘みが口いっぱいに広がります。この味を求め、地元の人が直売所に足繁く通うというのも頷けるもの。
訪れたこの日は、夏の気配を感じる頃。梅雨入り前で日差しものぞくなか、ハウスの中はどれほど蒸し暑いのだろう。少しの覚悟を持って入ったところ、意外なほどにカラッと乾いた空気に満ちていました。
「ここは元々田んぼだったからね、ほとんど水はあげない。トマトは水をあげすぎると水っぽくて感激しないのよね」と、野本さん。直売所で、ハウスの中で、ポッとあかりが灯るように、トマトを語る時に言葉の温度が上がります。
▲育てるトマトは、ミニトマトだけでも8種類!中玉3種、大玉が2種。
「生で食べるのが美味しいのもあれば、火を入れたほうがいい、寒い時美味しい、暑い時美味しい、いろいろある」のだそう。
『育てる』と『食べる』の距離を近く。
「美味しいと言われたいし、人と違わないと、誇らしく思えないでしょう」。
そんな想いを携えながら育てる野本ファームのトマトは、市場には出荷していません。
直売所か地元のスーパー、そしてきららテラスなど一部飲食店で手にすることができ『育てる』と『食べる』の距離が近く、自然と地産地消に繋がっています。
「きららカフェができた時、まさか葬儀屋さんがやっているなんてね、驚いて。近所だし行ってみようって家内が言うもんで、行ってみたら近所とは思えないような雰囲気のカフェだよね。加熱することで美味しいトマトなんかは、こういうところでプロのシェフに調理してもらえるのは自信にもなるし、お客さんにも、ああ、こういう風に食べるんかって伝わりやすいなと思う」。
ダイリンとのご縁を、そう語ってくれた野本さん。きららカフェのお客さんが野本さんの直売所へ訪れることもあるそうで、そのようなお話を聞くとこちらも嬉しくなりました。
▲トマトは青から一旦、白くなって赤く色づくそう。「白」を経る瞬間があることを初めて知りました。
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代 表 野本 雅一さん・今朝江さん
まるで太陽のように奥様が背中を押し、それに野本さんが応え、と、あうんの呼吸を感じさせてくれる素敵なご夫婦。直売所では普段の食卓にぴったりのトマトから手土産に喜ばれる贈り物のセットまで、幅広く揃います。
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information
野本ファーム
鴻巣市下忍3407-1(直売所あり)
048-548-0729
yasai.f-nomoto.com